東漸寺は曹洞宗の寺院。かつて前芝村の東漸寺の本尊であった延命地蔵尊が津波によりこの地、伊奈に漂着したことが当寺の由来と伝わります。
 明応元(1492)年、伊奈城主本多正時が建立、知多郡緒川村の乾坤院亨隠慶泉禅師の開山となります。寺には本多家五代の墓があります。
 東漸寺で特筆すべきは34代住職の宇井伯寿です。
 12歳のとき仏門に入り、寺の援助を受けて東京帝国大学に進み、その後ヨーロッパ留学。駒沢大学、東北帝国大学、東京帝国大学の教授を歴任し、印度哲学研究の第一人者と称されています。
 広大な敷地に建つ東漸寺ですが、行者さまは門前の一角の境外堂宇にまつられています。
 右手に経巻左手に錫杖という些か稀有な造形ですが、由来等は不詳です。


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